やんばるの森が若葉色から深緑に変わる頃、森の天気は変わりやすくなり梅雨の季節を迎える。
花々などは濃いピンクの「寒緋桜」、真っ赤な「椿やツツジ」などの色鮮やかな花々は散り、黄金色の実を付けた「ミカン類」などが終わると、白い花や淡い色の花が咲き始める。
そこに、霧のような雨が降る頃になると、水田には青紫色の「オクラレルカ」や白と淡いピンク色の「オキナワシャリンバイ」、純白の花びらに小さな黄色の雄しべのある「イジュ」も山間のあちこちで咲き始める。
薄紫色のつる性の「リュウキュウアサガオ」も旺盛に木々に巻きつきながら広がっている。
この時期に咲く花と言えば「アジサイ(紫陽花)」がある。
淡い色の花が微妙に変化することから「七変化」の異名もある。
斜面地を利用して趣味で植え始められたという庭では、40種類ものアジサイが咲く民家がある。
そこでは、うっとうしい梅雨の合間で、さわやかで清涼感がただよう光景にであえる。
中でも気品のある「ガクアジサイ」は120年ほど前に株分けされ育てられ、時を超えて今も凛として咲きつづけている。
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