ディズニーの魔法の成分

旅先などでよく聞かれることわざで、「新しい環境に入ったら、その環境のやり方や習慣に従うこと」という意味ですよね。これはディズニーという環境に飛び込むゲストにも、ぜひそうあっていただきたいと願うところです。

例えば『カントリーベア・シアター』というアトラクション。東京ディズニーランドがオープンしたときからずっと変わらずにあります。シアターの中では、18頭の個性あふれるクマたちが、季節に合わせた名演奏を披露してくれるというものです。

幼少期には幾度となく足を運び、軽快に手拍子をしながら楽しめたこのアトラクションも、大人になり、スリルという刺激を与えてくれるものに心惹かれるようになると、すっかり立ち寄る機会を失っていきます。

ただクマたちの演奏を聞くだけでは、「懐かしむ」という以外に刺激的な楽しみ方が見つからない、ということも、離れていってしまう一因かもしれません。

ディズニーのテーマパーク最大の魅力、それは「意味のないものは存在していない」ということです。

ウォルト・ディズニーはスキーリゾートの建設に乗り出そうと計画していた頃、志半ばでこの世を去ることとなってしまいました。山に創るアトラクションだからこそ、陽気なクマが登場するショーでゲストを楽しませたい、という彼の思いは、「カントリーベア・シアター」として命を吹き込まれ、長く愛され続けているのです。

そんな背景を知ってからもう一度観に行くとどうでしょう。「さぁ、みなさんも手拍子足拍子をご一緒に!」というキャストの言葉に、心ウキウキと乗せられてしまうはずです。

『ディズニーの魔法の成分』の奥深い魅力は、思わず従ってしまいたくなる魅力的な「郷」の背景となるストーリーにあるのかもしれません。


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川崎 真衣
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