ワクワクするアトラクション、世界一有名なキャラクターとの触れ合い、煌びやかなショーや花火、いつもより心なしか声の弾む食事、あれもこれもと手を伸ばしたくなるショッピング。
どこをとっても夢のような時間。そこで素敵な思い出を作ることこそ、あの場所を夢と魔法の王国たらしめているのでしょう。
夢と魔法 = 「非現実」ということです。
有名な話ではありますが、ディズニーのテーマパークは外の景色が見えない設計になっているということはご存知でしょうか。(東京ディズニーシーは、わざと“外の海”とひと続きに見えるようになっていますけどね。)
どんなに素敵なアトラクションやショー、キャラクターが待っていても、外の景色が見えてしまうと一気に現実に引き戻されてしまいます。
これでは夢と魔法どころか、いつもと変わらない風景を見て、いつもと変わらない会話が生まれてしまい、なかなか理想的な非現実を感じ取ることが出来なくなってしまいます。
非現実のために、外の景色も見えない方が良いのですが、もう一つ見えないほうがいいものが「鏡」の存在です。
トイレに行き、手を洗い、ふと顔を上げた瞬間に見える少し遊び疲れた顔。現実世界ではまず付けることのないキャラクターの耳のカチューシャや、帽子を被ったその姿を目にしてふと我に返り興ざめしたり、可笑しい気持ちになったりすることも、非現実の世界にはあってはいけないことなのです。
だからこそ、ディズニーのテーマパークの殆どのトイレには、鏡は手洗場ではなく、見たい方だけが使うことが出来るように、少し離れた場所に設置されています。
現実では当たり前のように起こることを、夢と魔法の王国では小さな工夫で解消し、「非現実」を実現しているのです。
夏真っ盛りの後楽シーズンが到来です。大混雑のエントランスを目の当たりにして「アレもしなきゃ!コレも乗りたい!」と気持ちが焦ってしまうかも知れませんが、まずはせっかく訪れた工夫がいっぱいの夢と魔法の王国を、ぐるりと一周見回してみて、用意された特別な空間にいる喜びを噛み締めてみてください。
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