
「ディズニーベア」というクマのぬいぐるみをご存知でしょうか?
では、『ダッフィー』でしたらどうでしょうか?知っている方が多いですよね。
なんと、今年2025年は、ダッフィー誕生20周年のメモリアルイヤーなのです!
私自身がキャストだった時にセンセーショナルなデビューを果たしたあの『ダッフィー』が、もう20周年なのかと思うと大変感慨深いものがあります。
では冒頭の「ディズニーベア」とは何なのか、これはご想像どおり。『ダッフィー』は、実は2005年のデビューの1年前、「ディズニーベア」という名前でこっそりとディズニーシーに登場していたのです。
当時は大した告知もなく突然登場したクマのぬいぐるみに、「このクマはだれ?」 というリアクションが殆どで、実際ディズニーシーへ遊びに行ってみると、ディズニーベアは特に行列をなすこともなく、ぽつんとフォトスポットに立ち、フワフワの手を振っているという、今では考えられない状態が歴史の始まりでした。
元々ディズニーベアは、はっきりと〝ぬいぐるみ〟という設定ですので、ぬいぐるみとして販売されており、その手触りの良さから、大人も子どもも抱っこをしてパーク内を歩き、一緒に写真を取り、着せ替えをして自分だけのダッフィーを作るという流れでグッズ人気に火がつき、1年後の2005年にアメリカのディズニー社と検討を重ね、なんと東京ディズニーシー発の『ダッフィー』として鮮烈なデビューを果たしました。
基本的に〝ディズニー〟の名のつくものは、アメリカのディズニー社が作り、それを各国のパークで展開していくというもので、私のキャスト時代、ガイドツアーのセリフも、一言一句間違えずに暗記するようにと口酸っぱく言われていました。
それは、ディズニーのイマジニア(イマジネーションとエンジニアを合わせた造語で、ディズニーの全てのクオリティを管理する人々)が、ゲストにパークの世界観を余すことなく楽しんでいただけるようにと、工夫に工夫を凝らしたものだから、それを変えることは望ましくないという考えからでした。
実際に、限られた時間の中で、最大限の言葉を尽くしてパークの魅力とウォルト・ディズニーの想いを知ることができるツアー内容には、暗記する側として色々な意味で舌を巻いていました。
そんな背景を知ると、今や誰もが知っている大人気のキャラクターが、実は東京ディズニーシーで独自に進化を遂げ、世界中で愛されていることがどれだけすごい魔法なのかと、じわじわ込み上げてくるものがありますね。
これからも日本でビッグになったクマのぬいぐるみの活躍を、あたたかく見守っていきたいものです。
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