ディズニーの魔法の成分

うだるように暑い開拓時代のアメリカ西部から、夏の定番でもあるちょっとヒンヤリするお話を。

東京ディズニーランドのウエスタンランドにある 「ビッグサンダー・マウンテン」 をご存知でしょうか。 パークの中にある3つのスリルライドの中でも、完全に屋外で楽しむことができる唯一のコースターということもあり、疾走感と爽快感を求め、夏の暑い晴れた時は、特に行列ができる人気のアトラクションです。

しかし、このアトラクションを見て違和感を感じたことはありませんか?
鉱山列車であるにも関わらず、先頭車両に運転する人が乗っていないんです…。

1848年のアメリカ西部開拓時代の遺産とも言える 「ビッグサンダー・マウンテン」 は、金鉱であったことから、当時は一攫千金を夢見る大勢の開拓者がこの地に押しかけていたそうです。

これが俗に言う〝ゴールドラッシュ〟と呼ばれる時代です。
先住民たちは、この「ビッグサンダー・マウンテン」 を、『精霊や神々が住む山』として、「うかつに掘り続けると災いが起きるぞ」と、開拓者たちに何度も警告しました。

ところが、金に目がくらんだ開拓者たちはこれを無視。この地に鉱山会社まで設立し本格的な採掘を始めます。

すると、ある時から鉱山での作業中に不気味な音、突発的な陥没事故、原因不明の機械の故障などなど、次々に異変があらわれはじめました。

それにも関わらず採掘を止めない人間に対し、神々は極めつけに、無人の鉱山列車を暴走させる事により、山を荒らす者を二度と寄せ付けない程の怒りを顕にしたのです。

これをきっかけに、開拓者たちはこの地を去り、山も現在は廃坑となりましたが、神々は山を荒らすものが再び現れないようにと今も鉱山列車を暴走させ続けているのだとか。 ただ楽しいコースターなのではなく、本当の意味でのスリルライドだった、ということですね。

でも、本当に廃坑だったら列車を暴走させなくても誰も近寄らないのでは、と思いませんか。 そう、この 「ビッグサンダー・マウンテン」 にはまだまだ眠れる金塊があるとかないとか…。

昨今抑えつけられている冒険欲求が爆発しそうな方は、こんなロマンあふれる魔法の成分に触れてみるのも、悪くないですよね。


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川崎 真衣
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