iroiroレポート

創業43年 月桃を使った鮮やかな色合いの月桃蕎麦が有名なお店

沖縄で“ そば ”といえば、『 沖縄そば 』を連想する方が多いと思いますが、43年も前から『 日本蕎麦 』を提供し続け、地元民からも愛されてる『 名代蕎麦処 美濃作 』。

大将の小山さんが美濃作の暖簾を掲げた1977年は沖縄が本土に復帰してから5年後。『 日本蕎麦 』という概念がないだろう県民に日本蕎麦の良さを2020年の現在に至るまで伝え続けていると考えると改めて小山さんの凄さがわかると思います。

そんな大将が継承に悩んでいたところ今年の3月にステーキハウス88グループが事業継承に名乗りを挙げ、継承したタイミングで長年久茂地にあったお店をステーキハウス88辻本店の2階に移転。8月に新たに生まれ変わった新美濃作がオープンしました。

『美濃作』さんには昔から通っていましたが、移転してからお店を訪れるのは実は初めて。
ドキドキしながらお店に向かうと懐かしい雰囲気が…
あれ?この植木、見たことある…?階段の途中にある水槽も?

なんとなく懐かしい雰囲気に包まれつつ店内に入ってみると…
目の前に現れた木彫りの魚を見て確信。これ前のお店に合ったやつ持ってきてるんだ。

大将の小山さんにお話しを聞くとステーキハウス88の代表である金城社長が以前の店舗である久茂地あった美濃作の雰囲気にこだわって作ったそうで、他にもお店にあったインテリアをそのまま使われていてお店をまるごと持ってきたような懐かしい雰囲気でさらに55席ある広々と開放感ある店舗になっていました。

「はじめて来た気がしない」「前の美濃作に居る気がして落ち着く」など常連の方々のお声もあるそうです。
金城社長の美濃作への思い入れが感じられますね。

創業者である大将の小山さんは沖縄で日本蕎麦が珍しかった当時、日本蕎麦への厳しい視線を浴びる中、悔しい思いを胸に沖縄ハーバービューホテルで開かれた日本ホテル協会総会のため沖縄の食材を使用した蕎麦を作るために「うこん」「ハイビスカス」「月桃」の3種類で蕎麦を作ってみたそうです。

その中でも月桃は世界の芳香植物164種類の中のひとつに数えられているほど、香りの豊かな植物でその香りと鮮やかな緑をどうにか蕎麦にしたいという大将の強い信念から知り合いの大学教授などの助けを乞い、さらに試作。

考案当時は沖縄に月桃を粉末にする技術がなく、県外にお願いして最終的に完成したのが美濃作の名物となった香りと彩り鮮やかなこの“ 月桃蕎麦 ”。

美濃作では大将の小山さん(左)と店長の金城さん(右)が数量限定の手打ち麺を打っています。

店内にはガラス張りの麺打ち場があり生地を伸ばしたり、

麺を切っている様子を眺めることもできますよ。
どんどん麺が出来上がっていく様は見ていて楽しかったです。
次はメニューをご紹介。
まず最初は、美濃作名物の月桃蕎麦を注文。

早速来た月桃蕎麦は大将こだわりの鮮やかな緑がとても綺麗で食欲をそそります。
さっそく食べてみると噛んだ時に月桃の香りが漂い、ハーブのような爽やかな後味が鼻を抜けていきます。後味すっきりで美味しい。

月桃には赤ワインの34倍ものポリフェノールが含まれており、殺菌、消毒、消臭効果、防虫効果、リラックス効果や集中力の上昇、アンチエイジング、美容効果など様々な効能が。
さらに人への実証はこれからの様ですが今後インフルエンザや新型コロナウイルスへの効果への期待する声もあるそうです。

美味しくて効能の高い月桃と使った月桃蕎麦はこれからの時期積極的に食べたくなりますね。

次に来たのは大将おすすめの琉球三昧蕎麦。

3種類の蕎麦とつゆと天ぷらとボリュームたっぷり。
蕎麦には海苔とゴマに海ブドウがトッピングされていました。
つゆのトッピングはとろろ玉子に、なめこと大根、オクラとねばねば三昧。
名前の通りまさに贅沢三昧です。

とろろと玉子はクリーミー味わいでなめこと大根は辛みが少しありすっきり、オクラは濃厚なねばねばが麺に絡みシャキシャキ食感が美味しく一度にいろんな食べ方ができて大満足でした。

蕎麦だけでなく、天ぷらもさくさくしていてどれも美味しい。
日本蕎麦にはやっぱり薄めに衣の天ぷらが合いますね。

食後のデザートに美濃作で作っているオリジナル月桃アイスも頂きました。

最初に月桃の香りが漂い、程よい甘みと後からくる抹茶のような味わい…
調理法が違うだけでいろんな味が感じられ、さらに美味しく月桃の可能性に驚きました。
月桃は奥が深いですね。

日本蕎麦を食べたい、様々な健康効果もある月桃を食してみたいという方はぜひ新しく生まれ変わった『名代蕎麦処 美濃作』を訪れてみてはいかがでしょうか。

麺を打っている時間に行くと大将が店長を見守ってる様子もレアな光景が見れるかもしれませんよ。


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iroiro沖縄 編集部