知ってもらいたい税のお話し

今年も確定申告の時期が近づいてきました。概要や注意点のおさらいとともに、いよいよ間近に迫るインボイス制度にも触れていきます。

(1)確定申告お忘れなく!

令和4年分の個人の確定申告では、従来の「申告書A」と「申告書B」が統合され、1つの様式に絞られます。また、事業所得や不動産所得に加え、一定の雑所得についても収支内訳書への記載が必要となります。雑所得は主に公的年金等を指すことが多いですが、昨今の副業の増加傾向に鑑み、副業で「前々年度の売上高1000万円超」の場合も収支内訳書に記載が必要となりました。
住宅ローン控除の延長も決定しており、令和4年1月1日~令和7年12月31日までに入居した方が対象となります。控除率が0.7%へと引き下げられた一方で、控除期間は新築住宅で13年間へと延長されました(中古住宅は変わらず10年間です)。従前であれば、住宅ローン控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であれば適用ができたのですが、合計所得金額が2000万円以下と引き下げになりました。さらに、令和6年以降に建築確認を受ける新築住宅のうち、省エネ基準を満たさない住宅は適用対象外となります。

(2)インボイスと確定申告の関係

令和5年10月に開始するインボイス制度に向け、すでに登録申請を済ませた方もいるでしょう。これまで消費税の免税事業者だった方も、インボイスに登録をすると、消費税を納めることになり、所得税に加えて消費税の確定申告も行う必要があります。所得税の申告・納付期日(3月15日)と異なり、消費税は3月31日です。消費税の計算は手間がかかることがありますので、初めて申告する方は早めの事前準備に取り掛かりましょう。
普段は会社勤めで副業収入のある方、例えば、本業以外からも給与を受け取っている方、企業等に属さずフリーランスとして個人の消費者を取引相手にしている方等は、インボイス制度の影響はほとんど無いと思われます。ただし、取引相手が個人ではなく法人で、かつ課税事業者の場合には、インボイスの発行を求められる可能性が高いと思われます(取引先自身が仕入税額控除を適用する為)。このような場合は、登録していないと取引先から消費税分の値下げを要求される恐れがありますので、登録申請が必要なケースになると考えられます。
登録を迷われている個人事業主は、令和5年3月31日の申請期限までに提出できるよう、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

2023年1月現在


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松川 吉雄