知ってもらいたい税のお話し

電気料金の値上げや物価上昇等、経済環境が厳しい状況が続いております。
従来の生活以上に節約を考える場面が増えてきたのではないでしょうか。
今回は、直接的な節税の話ではありませんが、時間の節約に繋がる、電子申告に関してお伝えしていきます。

(1)「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」

国税庁は、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」を掲げ、オンライン(e-Tax)利用を推進しています。
利便に繋がるものとして、利用率は年々上昇し、法人税で86.7%(令和2年度、以下同)、消費税で85.7%と高い利用率となっています。
一方、個人の所得税や贈与税では55.2%と、法人に比べて普及が進んでいない現状が見受けられます。

(2)e-Taxのメリット

【事業者】インターネットを利用して、データ化した申告書等を提出できる為、事務処理効率化、ペーパーレス化に繋がります。
【個 人】所得税の確定申告に関し、インターネット上で申告書を作成でき、手書きより煩雑さの解消が期待できるほか、マイナポータルとの連携で、保険料控除やふるさと納税等の自動入力機能も備わっています。また、還付金の受取りまで3週間程度と、書面提出時より早い対応が可能とされています。

申告期限間近になると、税務署窓口では申告書類等の提出のための長蛇の列ができます。このような状況を避けるためにも、e-Taxをどんどん活用すべきでしょう。
以上、e-Taxに関して伝えてまいりました。ここで、いよいよ今年10月より始まるインボイス制度について、国税庁発表のニュースを1つお届けします。

(3)インボイス登録申請9割に(令和5年3月末)

ご存じの方も多いかと思いますが、令和5年3月末時点でのインボイス発行事業者の累計申請件数は約320万件となりました。課税事業者(約300万)のうち9割近い約268万事業者が申請済、免税事業者は約52万事業者が申請済です。
これを受けて日本税理士会連合会の神津信一会長は、HP上でコメントを発表し、仕入の8割を控除できる経過措置期間の延長を要望していくと共に、デジタル化の推進に向けて税理士が事業者を適切にサポートできるよう諸施策を講じていくとしています。
インボイス制度等、新制度や改正法について、また事務処理の効率化を図る為に何か始めたいという方は、身近な税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

2023年7月現在


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松川 吉雄