やんばるスケッチ

ひんやりとした北風が吹くと、やんばるの風景が一変する。

コロナ禍で中止になっていた五穀豊穣を祈る「豊年祭」も、やんばる各地で3年ぶりに開催され、農家の畑は穏やかな空気に包まれた

一息ついた畑は、サトウキビ畑が銀色の穂花をつけて、白波のようにゆらゆらと揺れているのが目立つようになる。

国頭村奥間のサトウキビの花が咲く近くに、ひっそりと佇(たたず)む「かぎやで風節(鍛冶屋手風の説もある)」の歌碑がある。そこは、琉球王(尚円王・金丸)が不遇の時、奥間の鍛冶屋にかくまわれた恩返しに、鍛冶屋の子を国頭按司に取り立てられた約550年前に「今日の喜びを何と称える事ができましょう・・・」と詠まれた。

それが、沖縄では祝儀の場での定番として「幕開け」で演じられている代表的な古典舞踊である。

この時期、宜名真漁港では魚の天日干しを求めて遠方から訪れる客で賑わいを見せていた。師走(しわす)の雰囲気が、季節風や人々の動きによって伝わってくる。が、今年も釈然(しゃくぜん)としない年の瀬を迎える事になった。新たな年が、幕開けにふさわしい希望に満ちた年であることを切に願うばかりだ。