年明けのやんばるは、気まぐれな天気によって寒緋桜などの芽吹をさそい、日本全国でも早めの春が訪れる。
この時季は、暖かくなったかと思うと、急に寒(かん)の戻りになり沖縄では一番の寒さとなる。その寒暖の変化の影響で、花曇りの空に寒緋桜やいろいろな花々が開花する。
淡いピンク色の空が、白々と明けていく肌寒い朝。
東村高江の村はずれの「小さなカフェ」が、夜明けの微睡(まどろ)みの中からゆっくりと目を覚ます。
退屈な風景がつづく、やんばるの東海岸沿いを訪れる際には立ち寄る事にしている。でも、つい見逃してしまいそうになるカフェだが開店してから29年にもなるらしい。
店構えは、カウンターと長椅子で10名位が座れ、木陰がある外庭の腰掛もくつろげる場所だ。外壁がピンク色を基調としたパステルカラーでまとめられ、なんとなくオシャレ。
道沿いの寒緋桜がぽつぽつと咲き始める頃になると、朝露のおりた畑の菜の花の蕾(つぼみ)が「春よ来い」と暖かい春の日和(ひより)を呼び寄せているように見えた。
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