年が新たまると、淡いカラフルな花々が咲き始める。
サザンカの花びらがはらはらと散って、寒緋桜やヤブツバキが花首からポロリと落花する頃に、水田にはコスモスが咲き始める。
名護市羽地では、秋に黄金色の稲が刈り取られた後にコスモスの種が緑肥として蒔(ま)かれ、年を越して広大な花畑が色鮮やかに出現する。近くには見頃を過ぎた寒緋桜もわずかに咲いていた。
コスモスの種を蒔いたきっかけは、地域住民が子供や孫を楽しませようとした何気ない取り組み。次第に花を愛でる人達が内外から訪れて来て、フェスティバルとして定着していったようである。
二毛作の羽地ターブックワー(水田)は、平らな地形と羽地大川の水に恵まれた環境で、琉球王朝時代から暮らしの生業(なりわい)として継承されてきた。近年は上流に羽地ダムが建設され、その利水(りすい)によって安定した収穫が出来るようになっている。
そして、地域で行われる「豊年祭り」や「羽地ダム鯉のぼり祭り」「はねじコスモスまつり」が世代間交流となり、生業としてきた稲作文化を次世代にしっかりと受け継がれているように思える。
コスモス畑の子供達の笑顔やしぐさにホッコリとした気分になった。
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