ディズニーの魔法の成分

そんなお出迎えを受け、胸を弾ませてゲートをくぐる・・・ずっと訪れたかった場所に足を踏み入れた喜びが爆発する瞬間ですね。

喜び余って駆け抜けてしまうその前に、ちょっと待って!チケットをかざし、入場している正に今、足元の床の色にご注目を。

ここの床の色は、意図的に赤くなっていることにお気づきでしょうか。

この赤い床は「レッドカーペット」になっています。
訪れる全てのお客様=ゲストを「特別な存在」と位置づけて、入場のその瞬間に心からの歓迎を表現しています。

しかし、この事実を知らずに駆け抜けてしまうのも仕方のないこと。
知らなければ気に留めることができないですから。
あれっ、それでは意味がないのでは?

——そんなことはありません。

レッドカーペットの事実を知る人、つまり働いているスタッフ=キャストはどうでしょうか。

そう位置づけられたレッドカーペットの上を歩く「特別な存在」に、最高の笑顔と歓迎の言葉を投げかけずにはいられなくなることが想像できます。
その出迎えが、ゲストの喜びを何倍にも高め、これから踏み入る魔法の世界に、一層の期待と信頼を寄せるのです。

ディズニーの世界を作り上げたウォルト・ディズニーは、生前に様々な言葉を残していますが、その中にこんなものがあります。

『何百マイルも離れたところからやってくるゲストに、私は責任を感じる。そういうゲストの期待を超えたい』と。

これこそ『ディズニーの魔法の成分』を感じられる始まりの物語です。

「魔法」という不思議な体験は、人々をその世界に引き込ませようと試行錯誤した「人」が生み出したものなのだろうと、思いを巡らせずにはいられません。


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川崎 真衣
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