余寒の残る中、三月(旧暦2月)には嵐のような強い風が吹く。
一般的にそれを春一番と呼んでいる。
沖縄では「ニンガチカジマーイ(二月風廻り)」と呼び、その風を境いに冷たい冬の北風から暖かな南風へと変って春めいてくる。
すると、やんばるの森や里山では萌黄色(もえぎいろ)の木々が芽吹き出し、色とりどりの花々が開花してのどかな春の風景が広がる。
その時期になると、やんばるの東海岸では花をテーマにした「ツツジ祭り(東村)」や「フラワーフェスティバル(名護市二見以北)」などが開催され、地域を訪れる人達と地域住民の交流イベントが人気スポットとなり、地域の風物詩にもなっている。
また、東村の「バラ園」では、色とりどりのバラやダリヤなどが咲いて辺り一面に甘い花々の香りが漂い、自然の優しさに包まれた幸せ気分のひと時を味わう事ができる。
里山では無造作に咲く「菜の花」が見られ、それをバックに咲く花々を見ていると、まるで自然が生けた「投げ入れ花」のようだ。
そして、霧のような雨が降り始めると、白い花の「イジュ」が森のあちこちで咲いて梅雨の時期がやってくる・・・
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