大寒(新暦:1月20日)を前後して「やんばる」は、寒い日がつづき各地で寒緋桜の芽吹きと開花の時季を迎える。
温暖化や気候変動のせいか、季節はずれの寒緋桜が去年の9月に大川(名護市)で咲いていたが、実に興(きょう)ざめだった。この頃のやんばるでは、ほかの花々(イジュ等)も季節はずれに開花が見られるようになってきた。
寒緋桜の開花は、時期や場所が地形や日当たり、風の流れによっても違うので、いつもの花見にならない時もある。
華やかな彩りで咲く桜の様子を見ようと、各地から朝、夕、夜桜へと訪れる笑顔が心なしかピンク色に映えていた。
あまり馴染みが少ないかも知れないが、夕日に染まるオレンジ色に輝く桜もなかなか粋(いき)なものである。
しかし、その華やかさも日がたつにつれて、寒緋桜の特徴である花首からポトリと落花していく様は、どこか儚(はかない)無常観に包まれた俳句「散る桜 残る桜も 散る桜(良寛和尚)」をつい思い出してしまう。
春一番が吹く頃に「カンヒザクラ」は葉桜となり、小春日和につつまれる。
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