やんばるスケッチ

海の色が鮮やかなブルーに包まれる季節になると、各地でいろいろなイベントが開催されて、夏の海辺は賑わいを見せるようになる。

中でも、地域の歴史や文化を継承した海神祭「ハーリーやハーレーの爬竜船(はりゅうせん)競争」の囃子(はやし)の鐘の音が鳴り響くと、梅雨明け宣言となり本格的な夏のスタートの合図となる。

同じ海神祭でも、やんばるの大宜味村塩屋湾では、旧盆明けにノロが村のいくつかの拝所を拝んで廻る祈願祭「ウンガミ(国指定重要無形民俗文化財)」の一環として「ハーリー」が行われる。

塩屋湾を舞台にして、男達はサバニを漕ぎ、女達は芭蕉布の着物にワラの鉢巻き、ワラの帯姿で腰まで海につかって太鼓をたたいて応援をする。水しぶきを上げて漕がれるサバニと、カラーの手ぬぐいを振り、太鼓や声援で迎える光景は、暑さも吹き飛ぶ壮観なものである。

それは、400年~500年前から行われていたと言われている。

また、塩屋湾は宮城島が外海の波や風を受け止めていることから普段は湖の様に穏やかである。盛夏の夕暮れ時には、ローソク約4000本を灯(とも)しての「白浜ナイトキャンドル」も開催される等、自然と共存共栄した水辺の暮らし向きが、今に伝えられている・・・。


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高嶺 晃