ディズニーの魔法の成分

今夏の東京ディズニーランド&シーのテーマポスターを目にしたとき、思わず涙が溢れました。

「やっと、みんなと、夏休み!」

長らくディズニーのキャラクターやダンサーたちと触れ合うこともできず、マスクでキャストの表情を見ることもできず、距離を取って様子を伺う毎日。
手探りで小さな幸せを拾い集める暗闇の日々から抜け出し、ようやく全身で陽の光を浴びられる喜びと開放感を表現したかの様な、とても眩しいポスターでした。

ディズニーでの〝触れ合い〟というと、前述の通りキャラクターと握手をしたり、顔を寄せ合って写真を撮ったりすることを想像されると思いますが、ではアトラクションだとどうでしょうか。

ゲストとキャストがコミュニケーションを図るアトラクションは数多くありますが、中でも私が真っ先に思いつくのは、言葉の触れ合いによって成立するアトラクションである、『ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション』です。

このアトラクションは、〝スキッパー〟と呼ばれるキャストが、アマゾン川を始めとする川を渡りながら、それぞれの地域に生息している動物たちを見にいくことが出来る、ジャンクル探検ツアーです。
現在このアトラクションの建物には、2階部分にもうひとつ『ウエスタンリバー鉄道』がありますが、これには理由があります。

この2つは「サファリ・トレーディング・カンパニー」という元貿易会社が運営しており、最初は船で荷物を運んでいましたが、やがてもっと沢山の荷物を一気に運ぶことが出来る鉄道が登場。
そこで2階部分に鉄道を設立し、一層貿易の強化に取り組んだため、同じ建物に船と鉄道が存在しているという状態になりました。

と、ここまでは良かったのですが、船と鉄道を比べてみると、一回の積み荷の量や速度、天候に左右される度合いなど、何をとっても鉄道のほうが優秀だったため、程なくして船での貿易は廃業。
失業の危機に陥ったスキッパーたちは、「自分たちはこのジャングルに詳しい、そしてなにより船を操縦することが出来る。だったら、ジャングルを案内する船に変えてしまおう!」と考え、『ジャングルクルーズ』という探検ツアーの会社へと生まれ変わらせたのです。

(余談ですが、後に鉄道での貿易も廃業となり、『ウエスタンリバー鉄道』という観光列車へと生まれ変わります。)

この機転を利かせた営業手腕からも分かる通り、スキッパー達は皆パワフルでフレンドリー!
ジャングル探検を盛り上げる話術を日々競い合うように磨き続け、ゲストの驚く顔を見ることを何よりの喜びとしています。

だからこそ、この期間ゲストの表情がマスクで覆い隠されていることで、いつもよりも触れ合いによる喜びを感じにくい状態であったのは、スキッパー達にとっても同じだったことでしょう。
やっと、みんなの笑顔と触れ合える夏休み。
コミュニケーションから生まれる魔法の成分は、きっとこの夏、ディズニーのテーマパークを包み込むのでしょうね。


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川崎 真衣
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