ディズニーの魔法の成分

夢と魔法の王国、東京ディズニーランドの開園40周年もグランドフィナーレを迎え、ここからまた新たな歴史が刻まれていきますね。

東京ディズニーランドの歴史の中には、これまでに積み上げられてきた様々な「ルール」というものが存在しています。

例えば、以前の魔法の成分でもご紹介をした、〝床に溢れたジュースを拭き取るときは、足で拭く〟といったもの。
これは、しゃがんだ体勢になり手で拭くことによって、小さな子供が走っていた時にしゃがんだキャストに気づかず、ぶつかってしまうような事態を避けるためのルール。
経験から積み上げられ作られた、ゲストの安全を守るための行動というわけです。

こういったものに違和感がなくなるくらい、当たり前のようになっている「ルール」の中で、言われてみればと一番驚くものが、〝パレードを鑑賞する際に、地面に座ること〟ではないでしょうか。

綺麗好きな日本人的にはどうでしょう。実はこれって、かなり不思議な光景だと思いませんか。誰もが文句一つ言わず、素直に地面に座っているのです。
他の場所ではなかなか受け入れられない、ディズニーのテーマパークならではの、変わったルールですね。

今でこそ、当たり前のように地面に座ってパレードを観るようになっていますが、開園した40年前はと言うと…

これが全くそうではなかったようです。

そもそもなぜパレードを座って鑑賞しなければならないのかというと、これは単純に、多くのゲストが鑑賞できるようにするためです。
また、多くの大人が立って鑑賞してしまっては、子供たちはなかなか観ることができなくなってしまいますし、大勢の子供が親に肩車されるような事態が起これば、それこそ事故に繋がりかねません。
安全に、かつ多くのゲストに楽しんでいただくためのルールなのです。

しかし40年前は、地面に座るだなんてもってのほか!客をなんだと思っているんだ!服が汚れてしまったら責任取れるのか!と、至極もっともな反対意見の嵐。
そこでゲストに座っていただくために東京ディズニーランドがしたことは、大きな注意書きの看板を設置することでも、大体的なCMを流すことでもありません。

それは「掃除し続けること」と、「その姿を見せ信頼していただくこと」です。

今やディズニーランドで、パレードを観る前に地面に座ることをキャストからお願いされて、「嫌だ!」という人を見たことがないという状態にまでなっています。
そうなるまで、信頼を得るために積み上げてきた時間と労力は決して短くなく、楽なものではなかったと聞きました。
当たり前となる文化を築く最初の一歩と、それを継続し積み上げてきたパークの歴史には、本当に敬服の思いです。魔法の成分も、紐解けば始まりは小さな一歩なのだと気付かされます。


この春に新しい一歩を踏み出される皆様に、この魔法が勇気となりますように。


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川崎 真衣
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