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沖縄国際大学琉球芸能文学研究会の皆さん
紅型幕(紗幕)は琉芸文の精神性が宿る。
大学の「サークル」に掛けて重なり合う二つの円。中央には多くの花が描かれ、さまざまな出会いと繋がりのなかから、大輪の花が咲き、舞台が成功しますようにとの願いが込められている。
大学生×琉球芸能といえば、すぐに思い浮かぶのは沖縄県立芸術大学ではないだろうか?
実は、芸大以外にも琉球芸能と本気で向き合う大学生たちがいる。
それが、沖縄国際大学琉球芸能文学研究会、通称「琉芸文」だ。学内行事や地域の催しへの出演をはじめ、県内外、さらには海外公演など、各地で精力的に活動を行っている。
琉芸文の活動の根幹にあるのは、「舞台づくりを通して礼儀作法や言葉遣い、他者と協働する力を育むこと」。今回は、2016年より舞踊コーチとして携わる玉城流てだ暢の会 会主 大浜暢明氏にその魅力を伺った。
琉芸文の始まりは2003年。沖国大の体育館落成式で披露された余興をきっかけに、琉球舞踊・組踊実演家の宮城茂雄氏や狩俣恵一名誉教授のもと、学生たちが集った。
一時は40名を超える大所帯へと成長。部員減少やコロナ禍という困難を乗り越え、現在は他大学生やペルー出身の留学生も含む多様な18名が活動している。
週3回の稽古では、地謡(歌い手)と立方(踊り手)が同じ空間で歌い、踊る。舞踊の基礎や振付だけでなく、舞台づくり全体を学生と共に考える。
技術の習得以上に重視しているのは互いの違いを受け入れ尊重し「心を合わせること」。その過程が、芸能活動の下地づくりになると考えている。
「完成度や巧さ以上に芸能を心から楽しみ、直向きに向き合う姿勢。その気持ちや熱量が舞台に立ったとき何よりの魅力になる。高校野球のようなアマチュアイズムこそが、琉芸文の魅力です。」と大浜氏は語る。
初心者の学生も多いが、慣れ親しんだスポーツの動きに例えるなど、一人ひとりの背景に寄り添った指導が行われている。身体で理解できる工夫を重ね、「踊れるかも」「楽しいかも」そう感じた瞬間から、学生は大きく成長していく。
また、夏休みには離島や北部地域へ出向き、移動大学祭のような位置づけで「ミニ発表会」も開催している。地域の歌や踊りを習い、舞台へ取り入れる。
芸能を通じて地域交流や郷土理解を深め、その演目の背景を文学的に学ぶことで学生たちの視野を大きく広げ、自分自身のルーツを見つめ直すきっかけにもなっている。
3月7日(土)には学生を芽吹いたばかりの双葉になぞらえた自主公演「双葉踊り」が、西原町さわふじ未来ホールにて開催される。企画立案や大道具制作など学生主体で舞台制作全般に挑み、実践を通して学び、一つの公演をつくり上げていく。完成されたプロの芸ではなく、未完成だからこそまっすぐで、瑞々しいエネルギーがそこにある。
彼らの等身大の挑戦を、ぜひ会場で見届けてほしい。

【公演情報】
2025年度自主公演 沖縄国際大学琉球芸能文学研究会「双葉踊り」
日 時:令和8年3月7日(土)17時開演 16時30分開場
場 所:西原町さわふじ未来ホール
入場料:一般1,500円 専門・大学生以下1,000円 ※未就学児・膝上無料
【お稽古情報】
毎週 火・水・土 18時~21時まで 沖縄国際大学内の剣道場・卓球場にて
経験の有無は問いません。
県内の大学生で少しでも興味があれば、ぜひ気軽に稽古場をのぞきに来てください。
【公演お問い合せ】
電話: 070-6594-7962(上原)
チケット購入サイト:https://www.instagram.com/
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