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【写真】
劇団うない5周年記念公演「月城物語」/ 写真提供:劇団うない


若夏の季節。5月15日は沖縄にとって特別な本土復帰記念日だ。
戦後の沖縄で芝居の黄金時代を築いたのが、女性のみで構成された「乙姫劇団」。宝塚歌劇団を彷彿とさせるその独自のスタイルを受け継ぐ後身の「劇団うない」に話を伺った。

戦後間もない沖縄では、焼け跡から立ち上がろうとする人々にとって、最大の娯楽は芝居だった。沖縄芝居は生活に深く根付き、離島を含む各地に劇場が点在し、複数の劇団が巡業を行っていた。

1949年、役者兼舞踊家の上間郁子を中心に誕生した「乙姫劇団」は、間(はざま)好子・上間初枝・大城光子・兼城道子ら四大スターを輩出し、一時代を築いた。乙姫(劇団)のお芝居は「歌と踊りが基本」を軸に、舞踊劇・歌劇を上演し、音響や照明を駆使した「幻想舞踊歌劇」という独自の世界観へと発展していった。

しかし、テレビの普及などにより娯楽が多様化すると劇場離れが進み、乙姫劇団も幕を下ろすことになった。それでも「女性だけによる芝居を続けてほしい」という多くの声に応え、平成16年、元乙姫劇団の兼城道子を中心に「劇団うない」として新たな船出を果たした。

「うない」とは、琉球の古語で「姉妹(をなり)」を意味する。この名はまるで、血縁を超えて支え合う女性たちの連帯と世代を越えて文化をつなぐ願いが込められているように感じてならない。

旗揚げから22年。現在は二代目代表・中曽根律子のもとで、約20名の団員が在籍する。乙姫から受け継ぐ「美しく清らかに」という精神、そして初代代表・兼城道子の「魂(こころ)ひとつに」という言葉を胸に、精力的な活動を続けている。さらに、劇団の重鎮・久米ひさ子が口にする「やーにんじゅ(家族)」という言葉も団員たちの大きな支えだ。

一方で、伝統を継ぐ道は平坦ではない。若い世代にとって「うちなーぐち」はなじみが薄い。それでも劇団では、稽古や本番を通じて自然と言葉に触れ、身分による言葉遣いや琉歌の形式、かつての風習を体得していく。若い団員たちは、教科書では学べない生きた沖縄の歴史を身をもって受け継いでいる。

「これまでは『変えない』ことを大切にしてきました。その精神を貫いたことを讃える反面、今後は何らかの改革が必須でしょう。」と地謡(歌い手)を務める具志氏は語る。その言葉には伝統を守り抜いてきた自負と、未来への覚悟がにじむ。

公演には老若男女を問わず多くの人が足を運び、役者の表情ひとつで客席に笑いや涙が広がり、華やかな舞いは観る者の心を整える。静と動が織りなすその舞台は、観客を飽きさせない。それは単なる美しさではなく、戦後から現代へと受け継がれてきた歴史が息づいているからだ。

伝統を守ること、そして時代に応じて変わること。「劇団うない」は色褪せることなく乙姫劇団から託された「見えないバトン」を確かに次の時代へとつないでいく。

そのバトンがどのような形で未来へ渡されていくのか、彼女たちの活躍に今後も注目していきたい。

【公演情報】
日 付:令和8年5月17日(日)
時 間:開幕15:00(開場14:00)
場 所:もとぶ文化交流センター 大ホール(沖縄県国頭郡本部町字大浜874番地1)
入場料:一般 2,000円/本部町在住の方、大学生以下1,500円

【公演お問い合せ】

電話:劇団うない事務局 090-1946-9492(上原)
公式SNS:https://www.instagram.com/


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親盛明佳里