iroiroレポート

今回は創業40年の宮古そばの老舗『宮古そば ひらら』さんにお邪魔しました。
今年3月に豊見城ゴルフレンジ内に移転したばかりですが、その翌月には新聞に掲載されるほど、場所を変えても愛され続ける人気店です。

店名『ひらら』の由来は、宮古島の地名“平良”から取ったとされています。
沖縄本島の方は“たいら”と読みがちですが、宮古島では“ひらら”と読むそうです。
現在6代目の店長を務める前泊さんは、ご自身もルーツのある宮古島の伝統・食文化を守りたいと思いお店を引き継ぎました。

看板メニュー、『宮古そば』の1番の特徴は、一見すると具のないシンプルなそば。
しかし、麺の下には大きな三枚肉と宮古島から取り寄せたかまぼこ、そして歴史も一緒に隠れているんです。
一説によると、昔、厳しい年貢の取り立てから逃れるため、具材も入れられないほど貧しいことをアピールするために、具なしのそばに見せかけていたという歴史があるそうです。

下にある具材たちをすべて麺の上に持ってくると、このようにシンプルでもボリュームのあるそばに大変身。
宮古そばの歴史を知らずに注文されたお客さんには『具はないんですか?』と驚かれ、そこからコミュニケーションが生まれる事もよくあるんだとか。
『本当は全メニューの具材を隠したいくらいです。』と熱く思いを語る店長の前泊さん。
昔ながらのこのスタイルと味を継承し続ける事は、プロ意識があっての事だと感じました。

どのそばもつるっとした特注の丸麺と、優しい風味のスープが主役ですが、
その中でも人気のメニューは『ひららまんさいそば』。
三枚肉と軟骨ソーキ、てびちにかまぼこまで、まさに全部のせ。
すべての味を一度で楽しめるのが人気の理由。
お肉が沢山入っていることでスープも一気に濃厚な味わいになります。

サイドメニューとしてぜひおすすめしたいのが、お店で一から手作りしている『半ジューシー』。
ひららの『半ジューシー』は、“半”ではなく一般的な“ジューシー”の量。
実はこれでも量を減らした方で、以前は蓋が閉まらないほどの“日本昔ばなし盛り”だったとのこと。
100円でこのボリュームは大サービスです。

特にひららのこだわりを感じられたのが、知る人ぞ知る『宇那志(うなし)豆腐』を使用した数量限定のゆし豆腐そば。
ぷるぷると弾力があり、味が濃いのが特徴です。
宇那志豆腐は一般的なスーパーのゆし豆腐の約4倍の値段で販売されていますが、
『この豆腐を求めてご来店される方のために宇那志豆腐から変えることはできない』と、
そばや出汁以外にもしっかり妥協はしません。

取材の中で、ひららではそば以外の料理も材料やオリジナリティにこだわっている点が多いと感じられました。
特に『いなり』はご実家が30年の老舗寿司屋だったという大城さんが酢飯から店内で丁寧に手作りしており、
ほど良い甘さと酸味で食べやすいサイズで作られています。
そば屋さんでありながら、本格的な寿司屋の味も楽しむことができます。

日替わりのメニューは、チャンプル―等の家庭料理から、少し変わり種なぼろぼろジューシーまで7種ほどの中から毎日ローテーションで提供。
季節もののメニューや新メニューも考案されており、古さの中に新しさも大事にされているのがうかがえます。
日々のメニューに変化があると行きつけのお店でもワクワクしますね。

宮古そばひららは “映えない見た目と映える味” をキャッチコピーに、高いプロ意識で宮古そばの伝統を守り続けています。
また、親しみやすさ溢れるスタッフの皆さんが作るお店の雰囲気は、
昔からの行きつけのお店のような温かい空間です。

現在は、県外の有名店とのコラボレーション、通販などの新規事業も検討中とのことです。
沖縄県外にも宮古そばの魅力を伝える大きな一歩になりそうです。
移転した現在の店舗は駐車場も広く、よりご利用しやすくなっています。
全メニューがテイクアウト可能で、ゴルフの前後にもおすすめです。
継承され続ける“映える味“をぜひご賞味ください。


宮古そば ひらら

【住所】〒901-0242 沖縄県豊見城市高安415
【電話番号】050-8887-2562
【定休日】不定休
【営業時間】10:00~18:00
【支払方法】現金
【駐車場】有
【席数】22席
【公式instagram】https://www.instagram.com/


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iroiro沖縄 編集部