沖縄では、冬から春にかけて吹く風が、天候を急変させ大荒れの天気になる事がある。それをニンガチ・カジマーイ(2月風廻り「旧暦2月・新暦3月頃」)と呼んでいる。
その風は「春分の日」を迎えて春風となり、やんばるの山々の萌える新緑の成長や、花々の香りを届ける手助けをする。
大宜味村では、白い花のシークワーサーが放つ甘い香りが山間に漂い、里山から集落にかけては、道端の花壇に黄色と真っ赤な「フリージア(別名:浅黄水仙・香雪蘭)」がさわやかな香りを放っていた。
そして民家の庭には、ピンク色のとがったつぼみに、小さな黄色い雄しべを付けた白い花の「ハゴロモ(羽衣)ジャスミン(モクセイ科)」が何とも言えない芳香を漂わせ、はっとさせる見ごたえのあるボリュームで咲いていた。
近くにある喜如嘉の水田は、「コメ作り」から畳の材料の「イ草作り」へと変わり、さらに今は生け花に用いられる青紫色の花「オクラレルカ(アヤメ科)」の栽培をしている。
のどかな田園風景は時代とともに変化をしてきた。この時期になると「オクラレルカの花畑」は人気の観光スポットとして大勢の観光客でにぎわっている。
Latest posts by 高嶺 晃 (see all)
- Vol.46 やんばる「もうひとつの原風景」 - 2024年11月1日
- Vol.45 安波節が生まれた風景 - 2024年9月1日
- Vol.44 木漏れ日のさす神アシャギで - 2024年7月1日