#ディズニーの魔法の成分

夏に引き続き、秋も行楽にはうってつけの季節ですね。特に「食欲の秋」と称されるこのシーズンには、なにか特別に美味しいものを頂きたくなります。

さて、ちょっと想像してみてください。もしも、あなたが予約をしていないレストランを訪れた際、中に入るとスタッフから「ようこそ、お待ちしておりました」と言われたら、どう思うでしょうか。―そうですね、ちょっと驚くかもしれません。

写真にあるのは、東京ディズニーランドのファンタジーランドにある『クィーン・オブ・ハートのバンケットホール』というレストランです。

一歩足を踏み入れるとそこには、ディズニー・アニメーションでもおなじみの「不思議の国のアリス」の一部を切り取って、そのまま持ってきたかのような、アトラクションと見紛うばかりの楽しい世界が広がっています。

レストランの主は、お店の名前の通り「ハートの女王」。

ハートの女王が、東京ディズニーランドに遊びに来た全てのゲストに楽しい食事をしてほしいと思い、晩餐会を開く広間(バンケットホール)に招待をしている、というストーリーを持ったレストランなのです。

そう、このレストランこそ、予約もしていないのに、中に入ると「ようこそ、お待ちしておりました」と声がかけられるレストランなのです。

全てのゲストを晩餐会へ招待した、というストーリーを守り表現するために、声かけは「いらっしゃいませ」ではなく、ゲストの来訪を予期した、歓迎のご挨拶になっているというわけです。最初は驚くかもしれませんが、このレストランに秘められたストーリーを知ることで、特別な挨拶が更なる意味を持ち、より強く心に響くことになります。

食事をしにレストランまで出向いた際、お料理の「味」は大変重要ではありますが、実のところ特に大切なのは、家での食事にはない「場の特別感」や、「空間演出による雰囲気」など、食事そのものより、その周りを取り囲む要素の方だったりします。

第一声で発する挨拶に意味があることで、そこをもっと楽しい場所にすることが出来る。『ディズニーの魔法の成分』をじっくり味わってみると、いつも大切なことに気付かせてもらえます。

川崎 真衣
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