ディズニーの魔法の成分

ディズニーのテーマパークへ足を運ぶたび、ハッとする美しい景色を幾度となく目にしますが、その景色をカメラに収めてみると、この芝生の眩しさが一層際立ってきます。この芝生は 「ベントグラス」 という寒冷地型の西洋芝で、寒さに強く枯れにくいため、一年中美しい緑を保つことができるそうです。

ただし、日本芝と比べると成長が早いためにメンテナンスが大変で、多い時は2〜3日で刈り込まなければいけないのだとか。しかしその大変さがあっても、この美しい緑が当たり前であるかのようにそこにある景色というのが、このパークの魔法を魔法たらしめていると感じます。

そんな魔法を操るのが、パークの植栽を一手に引き受ける 『グリーンアンドアーツ』 というプロ集団。遊びに来ているゲストの殆どの方が気づいていないかもしれませんが、集中メンテナンスの時間帯である夜以外にも、日中の植栽の様子を見回るために、時折緑の妖精たちは姿を現しています。

ディズニーのテーマパークには、日本ではあまり見かけないような花や植物が沢山存在しており、その全てはテーマに合わせた世界に存在していそうなもので彩られています。

例えば、アドベンチャーランドでは、葉っぱが大きくて常緑の熱帯植物が冬でも枯れてしまわないような工夫を施したり、クリッターカントリーでは、小動物にふさわしい小さく淡い花を何種類も取り混ぜて野草のような雰囲気を演出したり。

〝この世界なら、この生き物がいるなら、きっとこんな植物があるだろう〟 とイマジネーションを膨らませ、沢山の研究と失敗を繰り返しながら、施工・維持・管理を絶え間なく行っているのです

これらの話は、過去に仕事でグリーンアンドアーツの方から直接聞かせていただいたもので、彼らは 「何もない所に植物で景色を創り上げていくことが最高の喜びだ」 と話してくれました。

新たな春を迎え、これから新しい扉を開こうとしている方へ。

新しさの放つ眩しい輝きは、時として恐れを感じるかもしれませんが、そんな時はこの緑の魔法の成分を思い返してみてください。

人の心を動かす本当の輝きは、揺るぎなく積み上げられてきた先に存在しているもので、今はその積み上げの一歩目に立っているのだと。 堂々と光を浴びながら、上に向かってくださいね。


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川崎 真衣
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