#やんばるスケッチ

うだるような夏日が続くやんばるの山々は、モコモコとした感じの「イタジイの木」で深緑に包み込まれ、涼しげな葉柄の「ヘゴ」が加わることで、優しいやんばるの山の風景が広がる。

しかし、夜が更けると真っ暗な山の尾根を境に、藍色の夜空に満天の星が散りばめられ、幻想的な世界へと変わる。

そんな静寂な闇夜に、人里から少し離れた畑中のビニールハウスに電球が灯り人の声が聞こえはじめ、仲間が集まり「宴」が始まる。

そこに参加した事があるが、カラオケまで持ち込んで盛り上がった事もあった。しかし、コロナ禍によって休止状態だ。

やんばる(山原)とは、地名がある訳ではない。沖縄本島北部地域の愛称の様なもので大半が山と原野の地形であることから、そう呼ばれたと思う。「山」と「原」の外に「何もない」と揶揄(やゆ)された時代もあったが、今や「やんばる」の呼称は世界遺産のブランドだ。

そこには、贅沢な暮らしの営みの「至福の時間」があふれている。

夜香木(ヤコウボク)の不思議な香りが漂い、宴の声と虫の音や星のまばたきが、呼吸のように感じられる夜空の下で、ハウスの灯火(ともしび)の「やんばるの夜」は、ゆっくりと更けていく・・・。