6月にオープンしたばかりの「ファンタジースプリングス」で盛り上がる東京ディズニーシー。
なかなかこのエリアに足を踏み入れるのは難しそうですが、せっかくの夏、ここは他のアトラクションがもしかしたら空いているかも…?と期待に胸を膨らませながら楽しむのもありかもしれません。
今年の7月に、5周年を迎える東京ディズニーシーの大人気アトラクションといえば、『ソアリン:ファンタスティック・フライト』です。
私の周りでも、なかなか乗ることができない、と言う声を聞くほどの人気があります。
このアトラクションは、『ドリームフライヤー』という空飛ぶ乗り物に乗り込んで、風や匂いを感じながら、世界中の名所や大自然をめぐる、雄大な空の旅へと出発するというもの。
実際に、足元が地面についていないベンチタイプのライドに乗ると、眼の前はもちろん、横も上も素晴らしい景色に包まれて、リアルな浮遊感を楽しむことのできる、なんとも不思議なアトラクションになっています。
そのドリームフライヤーという乗り物を設計した人物の名は、「カメリア・ファルコ」。 響きからは分かりづらいかもしれませんが、女性の飛行研究家です。
「ソアリン」は、英語の〝舞い上がる〟という意味のsoarからくる造語で、空を飛ぶという人類の夢を称える特別な博物館、「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」が、このアトラクションの建物になっています。
博物館は彼女の父、チェリーノ・ファルコが創設し、カメリアは2代目の館長に。
その博物館の中では、飛行研究に情熱を注ぎ、未来を夢見たカメリア・ファルコの人生を振り返る特別展が開催されており、そのクライマックスがドリームフライヤーへの搭乗、となるわけです。
写真は博物館内の展示物の一つです。中央でテープカットをしているのが父チェリーノで、黄色いドレスを着ている少女が、若かりし頃のカメリア。
博物館のオープニングセレモニーで使用された赤いリボンとハサミまで丁寧に展示されています。
その赤いリボンの左上の紙には、式典が開かれた時のことが記されているのですが、これをよーく見てみると、1815年9月4日にこのテープカットが行われた、と書かれているのです。
そう! お分かりになりますよね。「9月4日」は東京ディズニーシーのグランドオープン日。このこだわりに気がつくと、なんとも嬉しい気持ちになります。
そしてさらに、カメリア・ファルコという人物、〝S・E・A〟初の女性会員でもあるのです!
〝S・E・A〟については、Vol.37で少し触れさせていただきましたが、「Society of Explorers and Adventurers」の略で、世界のディズニーパークにおいて、探検家や冒険家が所属している架空の団体のことです。
博物館内にある常設展示場には、とても珍しい〝S・E・A〟のモチーフである「冒険・発見・発明・ロマンス」の紋章が刻まれたオベリスク(一つの石から掘り出す四角柱)がありますので、アトラクションに乗る前の博物館だけでも、たくさんの魔法の成分を感じながら楽しめる場所になっています。
そんな、見どころ満載の大人気アトラクションに行きやすくなる(かもしれない)チャンスなんて、滅多にないかも。この夏は、人々が願った空を飛ぶ夢の始まりを感じに行くのはいかがでしょうか。
- Vol.45 憧れは原動力 - 2024年9月1日
- Vol.44 発見の喜びに心舞い上がる - 2024年7月1日
- Vol.43 魔法が湧き出る源へ - 2024年5月1日