さわやかな風が吹き、過ごしやすい時期(2月から5月頃)を沖縄の方言で「うりずん」の季節と呼んでいる。
やんばるでは、その時期の終わり頃になると、山の尾根に霧のような雲がかかり麓の集落をも包み込んでしまう光景が見られるようになる。それが梅雨の合図だ。
すると、各地の海辺では伝統行事「浜下り(はまうい)やアブシバレー(田畑の虫払い)、海神祭(ウンジャミ)、ハーリー等」が行われ、寂しかった海辺は潮干狩りなどで賑わいを取り戻しはじめる。
名護市の羽地内海にある屋我地島は、かつて離島であったが今は橋が架かって便利になった。その勢で大勢の人達が潮干狩りにやってくる。
島は農地が広がる平坦な地形で、リュウキュウ松やフクギに囲まれた民家によって昔ながらのやんばるの佇まいの風景が残っている。
海岸にたどり着く細い道や、野原の空き地には淡いピンク色の可憐な「ヒルザキツキミソウ」が群れて風に揺れていた。
梅雨の晴れ間の潮干狩りが終わると、いよいよ夏の海がやってくる。
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