
乾いた北風が断崖を吹き上がっていく先に、辺戸岬突端の「茅打バンタ(かやうちばんた・標高約80m)」がある。そこは、束ねた茅(かや=ススキ)を断崖へ投げ落とすと海からの強風でバラバラになったとの由来から名付けられたと言われている。
特殊な地形の岬に乾燥した海風が吹きつけて、それが宜名真漁港一帯に回り込んで、魚(フーヌイユ)の天日干しに適した環境がつくられている。この地域では、フーヌイユ(=シイラ)を、「フー(富)のイユ(魚)」と呼んで親しまれている。
乾燥した風が吹きつける11月下旬ごろ、村人達が漁港に集まり、下処理された「フーヌイユ」を天日干しするのどかな作業風景がみられる。そして、たった一日だけの「フーヌイユ祭り」が開催される。
祭りには、帰省者やリピーターが、毎年遠方から足を運んで賑わいを見せている。しかし祭りが終わると、集落と漁港が国道で隔てられていることもあって、港の人影がプツンと途絶えて寂しげであった。
風に揺れるススキの穂に覆いつくされた辺戸岬一帯も、哀愁を漂わせていた。そこから、眼下に見える宜名真漁港は、すっかり落ち着いた日常を取り戻して、新たな年を迎えようとしていた・・・。
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